二軸混練押出機のフィラーおよびアロイの混練には従来からニーディングディスクが用いられてきた.フィラーの高分散を達成しようとすればするほど高温練りとなり樹脂劣化を伴うことになった.特にナノコンポジットの混練においては顕著であり,近年では高速せん断混練技術でこの問題を解決しようとする試みがなされている.一方,我々が発明し開発した伸張流動を活用した革新的混練技術は,溶融樹脂が貫通孔を通過する際に大きな圧力損失を生じることによって,高い伸長応力が樹脂に作用する.その結果,高分散なフィラーおよびアロイのコンポジットが製造される.この技術は,如何にして大きな圧力損失を作用できるかであり,セグメントの形状に関しては穴径サイズや穴個数に依存する.混練の操作条件としては,スクリュ回転,処理量によって圧力損失が変わる.大きな圧力損失を生じさせるには,低温(高粘度)大きな処理量が効果的である.即ち,低温練りで小さなエネルギーでの混練となるため,従来混練とは全く異なる低温練りでかつフィラーおよびアロイの高分散のコンポジットの製造が実現する.