本研究では、冷却水の流動抵抗低減と伝熱性能向上を両立するピンフィン水冷ヒートシンクの最適化について検討している。ヒートシンクは、多数のピンフィンを千鳥配置した金属製であり、ピンフィン断面形状を翼型にすることで、円柱と比べて高性能な最適解が得られる可能があることが分かった。ピンフィンの断面形状と配列の最適化検討においては、伝熱性能最大化と流動抵抗最小化を目的関数とする多目的最適化問題とし、PIV可視化実験により妥当性を確認したCFDモデルを用いた。電気自動車用インバータの水冷ヒートシンクを想定した最適化解析の結果、翼型ピンフィンは円柱ピンフィンと比べて、低圧力損失条件でアドバンテージを有することが判明した。多折流への適用も含め、各種設計要求に応じた最適化解析によって、既存ヒートシンクの性能向上を期待することができる。